資産運用を始めたいけど安心できるのかどうかの見極めが難しかったり、始めてみたものの失敗したりするケースは多くあるのではないでしょうか。
それが海外オフショア投資ともなれば、さらにわかりにくくなりますよね。
この記事を読んでいるということは、海外オフショア投資に興味があるのではないかと思います。
そして、投資のことを考えると色々不安もあることでしょう。
投資をしないと未来の不安は拭えないし、投資をしようと思えばリスクが不安になるものです。
国内の投資だからといって安心できるかと言えば別問題ですし、海外だから怪しいというのも違っており、国内外問わず目の前の商品を見極める必要があります。
でも、商品を見極めろ、と言われてもなかなか難しいですよね。
この記事では私自身がどのように商品を見極めて資産運用を行っているのかという、私の資産運用の中でもかなりのポイントとなる部分をお伝えします。
私自身がいろいろな投資を試し、失敗し、失敗談を見聞きしてきた中で築き上げた基準ですので、かなり参考にして頂けると自信を持っています。
会社や商品を見分ける視点と、代理店や紹介者を見分ける視点の2つの視点でご紹介します。
目次
会社・商品を見分ける視点
こちらは保険会社や商品を見分ける視点です。
そもそも詐欺という場合もありますし、ハイリスクな商品をリスクを知らずに契約するケースもあります。
致命傷を回避して、リスクをコントロールすることは資産運用においては必須です。
詐欺の類型ではないかどうか(ポンジスキームやHYIPなど)
そもそも商品が詐欺だったら、、、それは大変なことですよね。
しかし、残念ながら、そういう話はいつの時代もあり、海外投資と呼ばれるものの中には詐欺商品も一定数存在していると思います。
2010年代もMRIインターナショナル事件(Wikipediaへリンク)などありました。
まず、ポンジスキームやHYIP(ハイプ)と呼ばれる投資詐欺の類型は知っておきましょう。
ポンジスキームは、チャールズ・ポンジさんという人(詐欺師)が最初に考案した詐欺です。
詐欺のなかでも特に、「出資してもらった資金を運用し、その利益を出資者に(配当金などとして)還元する」などと謳っておきながら、実際には資金運用を行わず、後から参加する出資者から新たに集めたお金を、以前からの出資者に“配当金”などと偽って渡すことで、あたかも資金運用によって利益が生まれ、その利益を出資者に配当しているかのように装うもののこと。投資詐欺の一種に分類され、日本語で「自転車操業」と呼ぶような状態に陥り、最終的には破綻する。 – ポンジ・スキーム – Wikipedia
簡単に言えば、高利回りを謳って資金を集め、その返済には後から契約した人の契約金を使います。
最初の半年ほどはしっかりと返ってくるのが、途中から一切配当が出なくなり、元本も返ってこなくなります。
HYIP(ハイプ)というのはHigh Yield Investment Program(高利回り案件)の略。月利○○%など、普通に考えればありえない高利回りを謳う投資詐欺の類型です。
年利100%のような数字が絶対に不可能家といえば、多大なリスクを追えば可能でしょう。それこそ、カジノに行き、ルーレットの赤に全資産をベットしてうまく行けば利回り100%です。でも、その利回りが低リスクで実現できる、という説明であれば、それは怪しいです。そんなこと、不可能だからです。
月利10%や年利50%が「保証」される、のようなものはHYIPという詐欺案件だと思って99%間違いないでしょう。残りの1%は何かって?それは「ギャンブル」といいます。
なお、これらの投資詐欺はMLM(マルチレベルマーケティング。マルチ商法やネズミ講といえばわかりやすいかもしれません)形式で行われることが多いです。
配当の利回りもあり、さらに紹介を増やしていけば紹介料がもらえる。
詐欺は一瞬で見分けられるように、こんな話を聞いたら怪しいというアンテナが立つようにしたいですね。
リスク・リターンのバランスはどの程度か
資産運用の世界ではリスクとリターンは比例していきます。例外はありません。
なお、リターンがゼロで、リスクしかないものを詐欺と呼びます。その逆はの、リスクがゼロで、リターンがあるものは残念ながら存在しません。
リスクは負うから、何が何でもリターンを最大化したい、そう思うのであればカジノや競馬をおすすめします。1日で数倍を狙えるまともなものは他にはありません。
リスクは何が何でも負いたくない、そう思うのであれば定期預金をおすすめします。日本国の破綻リスクを考えるのであれば、もはやおすすめ商品はありません。
・・・そうじゃないんだよ!と言いたい気持は良くわかります。でも、そうなのです。
結局、このリスクとリターンの中で自分にあったものを選ぶしかないのです。
例えば、オフショア投資の中から代表的な商品のリスクとリターンを紹介すると、
貯蓄型生命保険は15年以上の流動性リスク(※1)と、少々の変動リスク(※2)を追う代わりに、年5~6%のリターンがあります。拠出を完了し、長期保有であればほぼマイナスにはなりません。
元本確保型ファンドは流動性リスクと大きめの変動リスクを追う代わりに、年3%~8%のリターンがあります。拠出を完了し、長期保有であればほぼマイナスにはなりません。
投資リンク型保険は流動性リスクとかなり大きな変動リスク、代理店リスク(※3)を負う代わりに、年10%を超えるリターンを狙うこともできます。長期保有でもマイナスになる可能性もあります。
※1 流動性リスク:一定期間資金がロックされて使えない期間があるというリスク。
※2 変動リスク:運用成績に変動があるというリスク。例えば、定期預金などは金利が決まっているのでリスク無し。株や債券は全て変動する。
※3 代理店リスク:代理店により運用成績が異なることを代理店理数として表記した。
この中でどれがいいですか?と聞かれたら、人それぞれです、という答えになってしまいます。
私がサポートさせていただいている方には、投資の目的や資産状況、目標金額、資産運用の計画などをディスカッションした上で提案しています。
自分のリスク許容度に合わないものや、そもそも上記の代表的な商品よりも大きく不利なものは避けたほうが良いでしょう。
逆に、上記の代表的な商品よりも大きく有利なものは、詐欺や見えないリスクを検討したほうが良いでしょう。
伝統・実績があるかどうか
例えば、マン島や香港の当局が行っている規制はものすごく厳格であり、その規制の中で長年事業を行っている保険会社や投資会社であればある程度安心できると考えています。もちろん投資家保護制度もあるため、万が一保険会社が倒産した場合を考えても、ものすごく透明な会計をしているため買収などで契約が継続されたり、保障制度があったりするので安心できるでしょう。
日本の当局だけを信頼して、海外の当局を信頼しないというスタンスであれば、残念ながら海外オフショア投資は向いていないと思います。
しかし、日本の当局も信頼し、海外の当局も(信頼できる国は)信頼するのであれば、海外オフショア投資は選択肢に入りますし、米国株も選択肢に入りますよね。
逆に言えば、信頼の置ける金融行政が行われている国かどうか、また、そういった地域で長年の実績があるかどうか、というところは私にとっては重要です。
新しい投資というものが気にならないといえば嘘になりますし、仮想通貨などの新しい投資でうまく運用できている人もいるとは思います。
ただ、新しいものはその殆どがあまり知られないうちに失敗しており、一部のレアケースが仮想通貨のように大きくなっているイメージです。ベンチャー投資のように、10個中9個がだめになっても1個が100倍になれば結果としてプラスになるという世界だと私は感じています。
ですので、資産のうち、一部だけを、一つのサテライトとして投資するというのはアリだと思いますが、コア(メイン)には信頼と実績のあるものを選んでいます。
代理店や紹介者を見分ける視点
海外オフショア投資は代理店やサポート企業の紹介のもとで契約することになります。
誤解している方も多いのですが、一部の「投資リンク型保険」というものを除けば代理店により運用が変わることはありません。
ですので、極論代理店選びを失敗しても、適切な商品を選べていれば致命傷にはならないのです。
とは言え、ストレスが少なく、適切な提案をもらえたほうが良いのは間違いありません。
私が代理店や紹介者を見分ける視点を紹介します。
複数の選択肢から提案しているかどうか
投資リンク型保険や貯蓄型生命保険、元本確保型ファンドなどそれぞれの商品ごとに特徴があります。
ニーズや資産状況、リスク許容度に合わせて最適なものは異なるのが当然なので、一つの商品だけを提案しているのであればニーズと合わない可能性もあるでしょう。
拠出期間を短くしたい人と、長くしたい場合。
リスク許容度が低い人と、高い人。
目標金額と拠出可能金額の差が大きい人と、小さい人。
資産運用の目的や、既に保有している商品とのバランス。
上記のような観点を考えると、万人におすすめの商品というものは存在しないと考えています。
むしろ、そんなものが存在するのであれば、それ以外の商品なんて売れずに無くなっていますよね。
ニーズに合った提案をするためには、複数の種類の商品を提案できる必要があるのかなと思います。
30年後も頼れるかどうか
老後資金のために資産運用することを考えると、その資産を使うのは30年後だったりします。
30年後、40年後も現役であるかどうかというのを、個人的には重要な基準として持っています。
例えば、自分よりも一回り以上上の年齢の人だったら、ちょっと心配になってしまうのです。
50代で完璧な知識を持っている人と、20代で知識は完璧ではないがすぐに調べたり聞いたりして的確に答えてくれる人がいたとしたら、私の場合は20代の方と一緒に歩んでいきたい、そう考えるというイメージです。だからといって、知識や提案がしょぼかったらそれはそれで困るのですが。。
私はずっと起業して自分でビジネスをしていますが、ビジネスの中でも知識量だけある人よりも、知識を元にして欲しい答えをしてくれる人のほうがパートナーとしてはうまくいくと感じています。資産運用も同じかなと思いっています。
自分の利益だけを考えていないか
日本国内の金融機関の窓口でも、残念ながらこのようなスタンスで商品紹介をしている例はあるようです。
一般的に、手数料の高い商品や、拠出期間が長い商品はコミッションが大きい傾向にあります。
そのような商品だけを進めていたり、長期契約しかできないと言い張ったりするケースはちょっと距離を置いてみてもよいのかなと思います。
ただ、長期契約=悪というわけではありません。長期的に払込が継続できるのであれば、素晴らしい選択肢です。
相手の状況に関わらずそれだけを勧めているのであればちょっと違うのではないか、ということです。
※ちなみに貯蓄型生命保険は一括や2年、投資リンク型商品も5年からの契約が可能です。25年契約以外できない、なんてことはありません。
安心して資産運用して、安心の未来を作ることが一番
今回は私の長年の投資経験の中でも根幹となる部分をお伝えしました。
投資人生の中では新しい商品が増えたり、相談を受けたり、投資を検討したりする機会がありますが上記のような視点で判断をしています。
ベストな選択肢を探し求めるのではなく、致命的な大失敗を避けてベターな選択肢を取る。
そうして様々な経験をしていくことが最終的には安心して資産運用を続けて、安心の未来を作っていうことに繋がると考えています。
私を含む多くの人にとって、他人や他の商品よりも0.1%でも利回りが良い商品を探し求めることが人生の目的ではないでしょう。
年利4%の商品と年利5%の商品であれば、どちらも「ベター」な商品でしょう。そして、過去の実績がそうだからと言って、未来に逆転しない保証もありません。
そのような商品を選び続けて、投資を続けていけば、このまま続ければ安心だ、と思えるものです。
しかし、大きくマイナスになってしまうものが一つでもあれば、トータルでも大打撃ですよね。
そのような大失敗を避けるための基準として今回の記事が参考になればと思っています。
もちろん投資は最終的には自己責任です。例えばこの記事を読んで投資を始めたとして、私が責任を取ることはできませんし、取るようなものではないと思います。
ですので、あくまでも「私の視点・基準」となることと、特定の投資を推奨などする意図ではないということはご承知ください。
そのうえで、参考にしていただけると嬉しいです。