2~30代の資産戦略、50代の資産戦略はほぼ万人向けのおすすめの戦略があるのに対して、40代となると状況も人それぞれであり資産戦略としても様々な戦略が考えられます。
とはいえ、豊かな老後を迎えるのか、それとも20年後に後悔するのかの分かれ道であることにはかわりありません。
最近は40代の方からの資産運用相談を頂くことが多いですが、このタイミングで相談いただけてよかったと思うことがほとんどです。
今も未来も豊かにする戦略を考えていきましょう。
目次
初めに:「イマ」と「ミライ」のバランスを考えよう
「イマ」に全てを賭ける生き方を見直そう
意外と多いのが、将来への貯蓄や資産形成を今までほとんど行っていなかったというタイプです。
日本の会社にお勤めの方であれば職場での財形やiDeCo(個人型確定拠出年金)などに少々拠出をしていることもありますが、積極的に将来の設計を行っているとはいえないでしょう。
私の知人を考えてみても、かなり稼いでいる方にこの傾向の方は多い印象があります。
たくさん稼いで、たくさん使う。
これはとても素晴らしいことですし、経済にも好影響を与えるでしょう。
しかし、老後も同じような生活水準を維持しようと思うとなかなか難しいという計算になるはずです。
また、いつまでも同じペースで稼ぎ続けられるかどうか、一度立ち止まって考えてみてみませんか?
いくら素晴らしい能力をお持ちでも、体調や環境の変化で思うようにならないケースは少なからずあると思います。
老後になった瞬間に急に生活レベルを落とすのはこんなんですし、きっと幸せではありません。
少しだけ将来に備えることで未来の生活レベルを維持できる、そんな岐路のタイミングではないでしょうか。
貯蓄ばかりで苦しくなっていませんか?
上で書いたケースとは対象的に、ものすごく堅実に貯蓄を続けてきている方は、逆に「イマ」を犠牲にしすぎているかもしれません。
40代といえば収入も上がり、社会的な地位も高くなり、人生の好調期かと思いますが、将来だけのために生きているのであればとてももったいないことです。
資産運用や未来への備えは重要、というのは間違いありません。
今までコツコツと頑張ってきた努力は間違いなく将来の自分から感謝されると思います。
その頑張りを、将来への着実な計画へと変えていくための資産運用の見直しをしてみるのもよいのではないでしょうか。
将来の漠然とした不安は、ある程度将来を設計することで軽減することができます。
将来の不安が軽減されて初めてイマを楽しめるようになるというのもあるのではないでしょうか。
資産戦略を考える:今持っている資産を適切に運用する
資産戦略としては今持っている資産を適切に運用するというものです。
大きく分けて「今まで貯蓄してきた資産」と「毎月の収入」という2つの資産について考えていきます。
今まで貯蓄してきた資産で未来の計画を作る
これまでコツコツと着実に貯蓄をされていた方は数百万円~数千万円の資産をお持ちの方も少なくないかと思います。
定期預金やタンス預金という例もありましたが、ぜひ一度どこにいくらの資産があるのか数えてみてください。
もし思っていた資産額と実際数えてみた資産額が違うようであれば、管理しやすくするのも一つの課題です。
例えば、たくさんのところに分散しているのであれば、ある程度まとめておきたいですね。
老後3000万円問題、などと老後は資金が足りなくなるという話を聞いて、まだまだ足りないと頑張っておられる方も多いと思います。
私は20年を超える長期投資では年間5~6%のリターンは安定的に目指せると考えています。
安定的に、というのは大きな変動がなく、そして元本が減るリスクをほとんど無くした状態です。
投資はギャンブルだから怖いと考えている場合も元本が減らない投資であれば挑戦してみてもよいのではないでしょうか。
資産運用を行うことで、今の1000万円は老後の2500万円になります。
これからもがんばった目続けてもなかなか目指せなさそうな金額を目指すことが出来るようになります。
それも、今まで頑張ってきた自分のおかげであることは間違いありません。
未来の資産額に目処が立てば、安心して今を楽しんでも良い、そう思うこともできますね。
毎月の収入で未来の計画を作る
毎月の収入からも未来の計画を作っていきましょう。
資産形成の鉄則は「収入の1割を貯蓄に回す」ことと言われているので、まずはそこがスタートラインでしょうか。
40代から収入の1割を貯蓄に回せば、老後の生活で大きく困ることはないと思います。
ただ、ある程度贅沢をしながら暮らすのは難しいかもしれません。
理想の老後を実現するためには、どのくらいを運用に回していく必要があるのか、少々シビアに計画していく必要もあるでしょう。
ちなみに収入が大きい人ほど家計の見直しをしない傾向にありますが、少し見直すだけで大きな金額を運用に回せたりします。
例えば毎月10万円ほど運用に回せば20年後には4500万円ほどになります。
その後、毎月15万円ずつ引出していても、元本は減らずに永遠に引出し続けることができます。
20年間の拠出で、老後30年~40年の豊かさが手に入るということです。
あくまでも計算上であり、実際の相場の変動を受けるので上振れ・下振れのリスクはありますが、これは大きく未来を変えるはずです。
両方の資産を活かして将来の計画を作ろう
40代の資産戦略は今までコツコツためた資産と毎月の収入という2つの資産から考えるとお伝えしてきました。
実際には、どちらか一つだけではなく、人それぞれのバランスで両方持っている方が多いでしょう。
早期リタイヤを視野に入れた計画を作るのでも、65歳でのリタイヤを考えるのでも、考え方は一緒です。
まず、将来の暮らしたい生活を考えてみてください。その生活に必要な資金も。
そして、今ある2つの資産を運用に回したときの期待資産額を計算してみます。
その上で、もし不足するようであれば拠出額、利回り、計画を見直しつつ納得の行く計画を作り、実行していけると将来の不安も、今を楽しむ精神的な余裕も、どちらも得られるはずです。
私が考えるおすすめできる投資
老後までの期間は20~30年と、ある程度リスクを取った長期投資をするにはギリギリの年齢とも言えます。
- 貯蓄型生命保険の2年/5年という短い契約で拠出を試してみる
- 貯蓄型生命保険にまとまった貯蓄を一括投資して堅実な未来を作る
- 少々リスクを取り、投資リンク型商品に収入の一部を配分して資産を作る
という感じでしょうか。
それぞれのタイプによってどれを選ぶのか異なってくるイメージです。
毎月の拠出でまとまった金額を試してみたいが、20年など続くと不安な場合は、2年や5年という拠出期間のものを始めてみて、その拠出が完了した後に改めて金額を見直した上での計画を作るという2段構えというのが良いでしょう。
拠出可能額を測りかねている場合に有効な方法です。
逆に、未来の生活レベルを維持するために定年までしっかり拠出していくのであれば、少々リスクを取った方法も良いかと思われます。
拠出期間と運用期間が長いということは、それだけリスクをとっても問題ないですからね。
まとまった貯蓄は一括で運用に回すのが私のオススメです。
上でも書いたとおり「今の1000万円は老後の2500万円」です。
私自身も利回りが殆どつかないところに資産を置いておくことはあまり好きではありませんので、ある程度貯蓄ができてきたらすぐに一括で運用に回すようにしています。
証券会社を使った株式投資も悪くはないのですが、半分以上は「長期的な資産形成」ができていない印象です。
私も以前経験がありますが、株価を気にして生きているのはイマを楽しむ状態とは程遠いと思うので積極的にはおすすめしていません。
逆に、株取引を趣味の一つとして本格的に取り組みたいのであれば、結構楽しめる人も多いかもしれませんね。
その場合も短期利益を追うのではなく、長期的な資産形成に寄与するように取り組むことをおすすめします。