最近は20代のうちから投資を考える人も増えているという印象があります。
とても素晴らしいことだと思いますが「月2万円しか運用に回せなくて・・・」という声も聞きます。
私としてはそれでも良いので始めることをおすすめします。
20代~30代の方が資産運用を始めるにあたって最大限活用できるものは時間です。
これが40代であれば収入の大きさ、50代以降であれば積み上げてきた貯蓄なども活用していくものなので、
収入もまだ大きくなければ資産も大きくない、と尻込みしてしまう気持ちもわかります。
でも、この「時間」というものは投資を行う上でとても大きな武器になります。
私の初めてのオフショア投資は20代後半のときでした。
早いうちに始めておいて本当に良かったと思っています。
目次
始めに:時間を味方につけよう
「資産も収入も少ないから投資なんてしても・・・」という声を聞くことがありますが、決してそんなことはありません。
むしろ、資産運用において最も価値のある資源は「時間」と捉えることも出来るからです。
投資の収益は「運用額*(1+利回り)^時間」で表されます。
この中で、運用額は頑張れば増やすことができます。
おすすめはしませんが利回りも、リスクを取れば増やすことができます。
でも、時間は残念ながら増やせません。
なので、運用額、つまり収入増や倹約の話や利回りを増やす話ばかりが溢れており、ともすればそれが重要だと勘違いしてしまうのです。
もう一度言いますが、資産運用で最も価値のある資源は時間です。
その理由を説明します。
複利の効果は等比数列で計算される
複利の効果は時間が長ければ長いほど増えていきます。
高校数学の等比数列という考え方を使うと、一瞬見るだけで理解できるので書きますね。
難しい数学の知識は不要です。
毎年2倍になる商品に1万円投資したとしましょう。
そんな利回りのものは存在しませんが、説明上わかりやすいので毎年2倍としました。
1,2,4,8,16,32,64,128,256,512,1024・・・・
資産額は年を追うごとに上のようになりますよね。
これを等比数列と言います。隣との「比率(ここでは”2倍”)」が等しい数列です。
後半に行けばいくほど、1年の運用の長さの違いが大きく出てきています。
最初は1年の運用で1万円しか差がなかったものが、5年目では1年で得られる金額は16万円、10年後には1年で得られる金額は512万円になっています。
毎年2倍というのはさすがに夢物語だとしても、現実的なラインである年利6%は「12年で2倍」です。
そう考えると同じことが言えるわけですよね。
100万円×35年の運用というのは、500万円×10年の運用よりも資産が増えます。
年利6%で計算しましたが、より年利が上がると更にこの差は開きます。
時間を持っているとうのは、資産額が5倍というのと同じくらいか、それ以上の効果があるということです。
リスク許容度を上げることが出来る
時間を持っている場合のもう一つのメリットはリスク許容度を上げることが出来るからです。
リスク許容度を上げられるということは、想定利回りを大きくすることができます。
なぜリスク許容度を上げられるかと言うと、それには2つの理由があります。
資産運用額が今後の人生の総資産に対して小さいから
人生の総資産ってなに?となった方もいるかもしれません。
これはわかりやすくいえば「生涯年収」だと思ってください。一生をかけて稼ぎ出す総額です。
例えば、今500万円を運用できるとします。
これは、年収1000万円だとしたらそこまで大きな金額ではないですよね。
もちろんこのお金が減ってしまうのは悲しいことですが、数年間倹約すればすぐにまた貯めることが出来るでしょう。
例えば今後の人生で収入が2億円ある場合、資産運用額はそれに比べると小さいのではないでしょうか。
「半分になるかもしれないけど、2倍になる」そんなリスクを取ることが比較的出来るということです。
もし今後の人生の収入が5000万円で資産額が5000万円だと、、、もっともっと堅実にいきたいですよね。
もちろん、人それぞれの考え方があり、リスク許容度がありますのでこれを押し付けるつもりはありませんが、このことは一般的にリスク許容度を高く出来る要因になります。
変動の影響が小さくなるから
もう一つは変動の影響を小さく出来るからです。
近年の世界経済の成長率は6%前後と言われていますが、これは毎年コンスタントに6%成長をしているわけではありません。
コロナウイルスの流行など、様々な要因で成長率が大きく下がる年もあれば、成長率が大きく上がる年もあります。
資産運用対象である株や債券、コモディティの価格もそれと同じように大きく変動を繰り返しています。
私の資産運用の一つである投資リンク型商品は長期的に年利10%前後で運用ができておりますが、大きくマイナスになる年もあれば、大きくプラスになる年もあります。
もし運用期間が短かったら、大きなマイナスになる可能性や大きなプラスになる可能性もあります。
しかし、この運用期間が30年など長期なのであれば、運用成績は平均値に収斂していくため、10%前後で見積もることができます。
大きく変動を繰り返す資産は、変動が少ない資産に比べるとリターンが大きい傾向にあります。
変動リスクが増えるからです。リスクとリターンは比例する原則どおりです。
時間が限られている場合に変動が大きな投資は決しておすすめできませんが、時間が十分にある場合は良い選択肢になります。
今説明してきたとおり、リスク許容度を高め、そして複利の効果を最大限に享受できるというのが時間があるメリットです。
そして、これはたとえ少額であっても大きな金額を作っていくことが出来るということです。
資産戦略を考える:まずは収入の1割を運用に回す癖をつける
それでは具体的に20代~30代の資産戦略を考えていきましょう。
未来の目標が決まらなくてもまずは1割
老後の生活や必要資金がまだ全くイメージできないという方も多いと思います。
今後の収入がどのくらい増えていくのかの予測も難しいですよね。
そうなると、精緻な計画を見積もり、そこに向かっていくような考え方は難しくなります。
目標が定まらないとなかなか動きにくいというのは事実ではありますが、まずは収入の1割を運用に回すことがおすすめです。
月給が25万円でボーナスが4ヶ月分であれば年収は375万円ですので、毎年37.5万円(毎月3万円強)というイメージです
もちろん更に拠出が可能なのであればもう少し上乗せするのも良いと思います。
正直、収入の1割を運用に回すのはこれからの時代を安心して生きるための最低ラインだと思います。
日本の経済成長が止まり、年金や保険が期待できなくなった今、そのくらいは備えておきたいです。
FIREや資産目標がある場合は更に上乗せもあり
老後を安心して過ごしていきたいという場合は1割が最低ラインと書きましたが、更に高い目標を持っている場合は更に運用に回すことで達成できるようになるでしょう。
例えば、こんな目標です。
- FIRE(早期リタイヤ)して悠々自適に暮らしたい
- 老後は旅行三昧など豊かに過ごしたい
- 2億円の資産を作りたい
私自身もFIREして人生の選択肢を大きく増やしたいと考えているため、運用に回す金額を大きくしています。
この場合は目標金額に応じて運用学を増やしていくことになるでしょうか。
なんとなく「将来こうなれたら良いな。なれなくても問題はないが」の要な目標の場合は、自分が幸福だと感じられる生活を維持した上での最大拠出額に設定するとよいでしょう。
そうではなく「絶対に○○年後にはそうなりたい」のであれば、毎月運用に回す金額を具体的に計算していきましょう。
※LINEでメッセージいただければ、簡単に計算しますね。
私が考えるおすすめできる投資
20代~30代となると投資手法は本当にたくさんあるのですが、私の考えるおすすめの投資を紹介します。
- 投資リンク型商品でコツコツと時間をかけて長期的に資産を作る
- 貯蓄型生命保険を複数活用することで拠出可能額を効率的に運用する
少額の資金を時間をかけて積み立てて大きくしていくのであれば投資リンク型商品でしょう。
例えば毎月35000円ほどの資金を30年間積み立てていけば3000万円~5000万円の資産になります。
資産がうに幅があるのは、ある程度変動が大きいからですが、2.5倍~4倍を目指せるので十分ではないでしょうか。
貯蓄型生命保険は複数の契約を組み合わせていくことで拠出額を柔軟に組み替えていくことができます。
これはIFAとの長期的な関係も重要になってくるのですが、そもそも長期的に資産の相談ができないところで契約することは無いでしょう。
なお、私自身もこの投資リンク型と貯蓄型生命保険の組み合わせで余剰資金を効率的に運用するようにしています。
ちなみに、私の価値観は「専業投資家を目指すわけではなく、資産運用よりも大事なことに自分の時間を割きたい」というものです。
今から10年かけて株式や金融の勉強を始めることで、証券口座を活用して米国株をアクティブに運用していくことも可能とは思いますが、私はやりたくないので除外しています。
米国株投資は投資を人生の中心に据えたい人でなければなかなか成功しないですからね。
出来る方はやると良いと思いますし、私も米国や香港の証券口座は持っています。
「等比数列」のところを思い出してもらえればわかるのですが、一年でも早く始めることが将来のリターンを大きく左右します。
1年の違いは、長くなればなるほど響いてくるからですね。
色々と迷ってしまう気持ちはわからなくはないのですが、まずは収入の1割を運用に回してみる。
迷うのはその先でもよいのではないか、私はそう思っています。
老後不安なんて言葉が消えるのを楽しみにしています。